ロンゲスト・ジャーニー(2)
🐰「話し合える時に会いに行くのさ」📖
英国作家E.M.フォースターの作品『ロンゲスト・ジャーニー』には、素晴らしい言葉がちりばめられています。就中、私が好きなのは、アンセルの次のような台詞です。
続きを読むロンゲスト・ジャーニー
📖作者の同性愛傾向が感じ取れる名作🐰
『ロンゲスト・ジャーニー』という作品について、作者のE.M.フォースターは「書いたことを最も喜んでいる作品」と述べていたようです。
個人的な感想ですが、作品の完成度、という意味では『ロンゲスト・ジャーニー』はハワーズ・エンド』などの著名な作品には及ばないのかもしれません。
ただ、フォースターは主人公のリッキー・エリオットに、作者自身と同じ同性愛の傾向をもたせ、それを、当時の社会で許される範囲で表現しています。
それは、ケンブリッジ時代の親友アンセルとの友情や、片親違いの弟、野生児であるスティーヴンとの交流の中に、それとなく、ですが非常に生き生きと描かれています。
また、リッキーを取り巻くその他の登場人物がそれぞれ担う、作中での役割も重要です。
フォースターの作品を読んでいると、しばしば「場所(土地)」へのこだわりが感じられ、「どの場所に属しているか」が、その人物の生き方に影響する、極端に言えば、どこに住んでいるかで、その人物が、社会のどのような人の群(或いは属性?)を代表しているかが分かるように描かれている、そんな風に感じられます。
そういう意味で、リッキーがもともと属していた「ケンブリッジ」と対照的な場所として描かれるのが、リッキーが結婚後に暮らすことになる「ソーストン」でしょう。
ソーストンに属しているのは主に二人の人物。決して頭は悪くなく、正しく生きようという気持ちは持っているのに、なぜか愚かで真の愛とも無縁になってしまっているリッキーの義理の兄ハーバート、そしてリッキーとの結婚に失敗したことをおそらく自覚しながらも、怠惰ゆえにリッキーの元にとどまる妻アグネスです。
真の喜びがある場所、真の友情をはぐくんだケンブリッジから出て、決して自分が真に属すべき場所ではないソーストンで暮らすことになるリッキーの人生は、やがて破綻をきたしますが、ハーバートもアグネスも、世間的にみれば決して「悪人」ではないところにも、現実の残酷さが表れているのかもしれません。
E.M.フォースターのこと
📖1900年代初頭のイギリスを描いた作品🐰
2017年、ノーベル文学賞を受賞したことで、カズオ・イシグロ氏が注目を集めましたよね。イシグロ氏の『日の名残り』という作品は1993年にジェイムズ・アイボリー監督により映画化され、アンソニー・ホプキンスとエマ・トンプソンが出演していて、私も大好きな作品です。
『日の名残り』の舞台はイギリス、時代は1920~30年代(及び1950年代)だそうですが、私はこの1900年代初頭のイギリスの雰囲気にとても惹かれています。
きっかけはイギリス人作家E.M.フォースターという作家の『モーリス』という作品を読んだことでした。
続きを読む突発性難聴になった
🐰ある朝目覚めると、片耳が聞こえにくくなっていた👂
2020年の年明け、突然「突発性難聴」になりました。もちろん、突然起こるからこそ、「突発性」と呼ぶのでしょうが、本当に突然でした。病名を耳にしたこはありましたが、まさか自分の身に起こるとは、と…。
そして、こんなことを言うと叱られるかもしれませんが…「朝起きると、片耳が聞こえづらくなっていた」とはいっても、もう片方の耳は聞こえているわけです。生活しようとすればできます。そして、耳が聞こえにくくなるという経験は、例えば高速のエレベーターに乗った場合などに、多くの人が経験していることだと思います。
何が言いたいかというと
「朝目覚めると、片眼👀がものすごく見えにくくなっていた!」
のであれば、多くの方が恐怖もあってすぐに病院に駆け込むのではないかと思うのですが、突発性難聴の症状は軽く考えてしまいがちということです。しかし、私もなってみて分かりましたが、このような考えはとても危険なようです。
👂耳が聞こえづらくなったら、一刻も早く病院へ🏥
自分に症状が出て、病院に行くべきかどうか、ネットで調べたりしているうちに、治療の効果を上げるには、とにかく早く治療を開始することがとても重要だと知りました。
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